耐環境型産業用ラズベリーパイ MICA-R

ハーティングの産業用ラズベリーパイ MICA-Rシリーズは、ラズベリーパイとの互換性を100％確保しながら、信頼性、耐環境性能、長期運用、各種産業用規格取得といった製造現場で求められる要求を満たした産業用グレードの製品です。

2019年にCompute Module 3+を搭載したMICA-Rの販売を開始し、2022年に最新のCompute Module 4を搭載したMICA-R4をリリースしました。

MICA-R4とは

MICA-R4は組込み向けのCompute Module 4(CM4)を搭載した産業用ラズベリーパイです。頭脳にあたるプロセッサとRAMは一般向けのRaspberry Pi 4 Model Bと同じで、基本的に一般のラズベリーパイで動作するOSやソフトウェアは同じように使用できます。

ラズベリーパイの世界出荷台数は累計4600万台にものぼります（2022年2月時点）。世界中の多くのユーザによって多種多様な用途でプログラムが開発され、トライ＆エラーをした過程やコードが無償で公開されています。MICA-R4では一般のラズベリーパイで得られた知見を活用して試作や開発を容易に行うことができます。

産業用途の堅牢設計

MICA-R4は一般のラズベリーパイを金属筐体で覆ったものではありません。構成部品から産業用途の設計となっています。組込み向けのCompute Module 4(CM4)を搭載し、周辺チップにも産業グレードのものが採用されています。

一般のラズベリーパイでブート用に使われるSDカードは現場運用においては信頼性や安全面から懸念されることが多いポイントの一つですが、MICA-R4はオンボードのeMMCを使用します。

堅牢なアルミダイキャスト筐体は全体がヒートシンクとなり放熱性にも優れ、安定した長期稼働を実現します。温度試験では低温-40℃でのコールドスタート、高温90℃ CPU負荷100％での動作を確認しています。

MICA-R4の温度試験、振動・衝撃試験、EMC試験のデータはこちらをご覧ください。

MICA-R4の堅牢性を詳しく見る

電源電圧変動強化
過電圧保護
短絡保護
サージ/静電気放電保護
耐振動保護
長期供給～2028年

一般のラズベリーパイとの比較

ラズベリーパイ比較表一般用 vs 産業用	一般のラズベリーパイ（学習用、ホビー用）	産業用ラズベリーパイ MICA-R4
電源	DC５V	DC12-24V
ブート	SDカード	オンボードeMMC (ブートにはSDカード不使用)
周辺チップ	民生用 0~+70℃	産業用 -40~+85℃
使用温度範囲	0~+50℃	-20~+60℃
放熱対策	別途	対策済み
保護	基盤むき出し	金属筐体
M.2スロット	非搭載	拡張用M.2スロット搭載
RTC	非搭載(フェイク)	ハードRTC搭載
ウォッチドッグ	非搭載(ソフト)	ハードWDT搭載
NVRAM	非搭載	NVRAM搭載
セキュリティチップ	非搭載	セキュリティチップ搭載
設置方式	別途対応	DINレールマウントウォールマウント

産業用ラズベリーパイ MICA-R4は、産業用チップや優れた放熱特性により過酷な条件下でも長期安定稼働が可能な、信頼性のあるハードウェアです。

OSやソフトウェアは一般のラズベリーパイと同じものが使用できます。
一般のラズベリーパイで開発したプログラムやアプリケーションをそのまま動作させることができ、開発環境から現場導入への移行が容易に行えます。

オールインワン＆テーラーメイドの
IoTゲートウェイ・オープンコントローラを実現

MICA-Rシリーズの最大の特徴は、筐体の左半分にカスタムボードを実装できることです。
製造現場のIoTでは、様々なセンサ、アクチュエータ、外部システムとの接続が求められます。必要なインターフェースを備えたカスタムボード作成することで、理想的なオールインワンIoTゲートウェイ或いはオープンコントローラを実現できます。

お客様のご要望に応じてカスタムボードの追加開発も低コストでご対応できます。カスタマイズもご相談ください。

拡張用カスタムボード